2003年7月31日
リール巻取式のバンドが特徴的なPETZL社製Zipkaのニューモデルです。
前モデルのZipkaから大きく変った点は、LEDが3個から4個に増加した点とスイッチがプッシュ式となり複数の点灯モードを選べるようになった点です。大きさや全体的な造りやリール部分の使い勝手など、その他の部分は全くと言ってよいほど変っていません。明るさは1LED増えた分だけはアップしており、実際に並べて照らしてみると分かりますが肉眼でもそれが認識できます。
多点灯モードのライトで気になるのはその操作性ですが、このZipka PlusではPhoton3やEclipseのような操作方法を採用しております。個人的には、よく使う強モードの点灯がワンプッシュで出来、2秒以上経過後に再びワンプッシュで消灯とういう分かりやすい操作性はとても使いやすいと感じます。プッシュスイッチは中心の窪んだ部分のみが反応しますので、指が太い人にとっては多少押しにくいかもしれませんが誤動作防止のためには仕方ない造りかなとも思います。
そしてこのライトの一番の特徴であるリール巻取式のバンドは相変わらず使いやすく、頭部や手首をはじめいろいろな場所に取り付けることができます。使わない時は本体(セパレート部分)に巻き取られて収納されるので邪魔にならず、持ち運びも楽です。本体は軽量で長時間、頭部などに装着してもそれほど疲れるということはないと思いますが、欲を言えば、バンドの締付けの強さを調整できれば良いのにと思います。と、言うのもZIPKAは紐が細いため、頭部装着時は主におでこと後頭部の2点で固定をするため、人によっては圧迫感を強く感じる場合があるからです。(前モデルに比べ幾分圧迫感が少ないように私は感じたのですが、個体差かもしれません)。このバンドが合わない人は、姉妹品のTika
Plusの方が良いかと思います。Zipkaと違い、幅広のバンドで頭部へしっかりと固定でき、さらに上下の角度調整もできます。角度調整の話が出てきましたが、ZIPKAは固定となっており本体での調整は出来ません。写真でも分かるように垂直に取り付けた場合はけっこう下の方を向いています。日亜の5mmLEDを4個しか使っておらず、遠距離を照らすことには向いていないことを考えるとこの角度で正解だとは思うのですが、手首に取り付けた際や頭に取り付けて近距離での作業灯として使った場合はもう少し上向きの光が欲しい場合が多々あります。次モデルが出るのであれば、ぜひZIPKAにも角度調整機能をつけて欲しいと思います。
一点ほど非常に気になるのがその防水性能です。パッケージや説明書にはH20
OKという表記があります。スイッチ部分は確かにラバー状のプッシュタイプになったので水で濡れた手で触っても大丈夫そうですが、本体の構造は前モデルと同様に隙間が多く、内部への水の浸入は防げそうにありません。多点灯モード対応により回路も前モデルと比べいくらかは複雑になっていると思うので、この点に関しては実際にどの程度の耐水性能があるのかが気になります。(さすがに、あえて水につけてテストはしていません。今後、屋外で使っているうちにその辺のことは分かってくると思います。)
個人的にとても気に入っているライトだけにいろいろと注文の多いレビューになってしまいました。しかし、Zipkaはそのオリジナリティの高い巻取式バンドのおかげで、多くの場面で活躍してくれるライトです。値段は少し高めですが多くの人にお勧めしたいライトです。
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